11:23 - 04/04/2022
統計総局は、2020年のGDP成長率は前年比で2.91%だったと発表した。コロナ禍で各国がマイナス成長に陥るなか、ベトナムはプラス成長を維持した。建築、日用品、工業製品等、どの分野も緩やかながら着実に発展している。2020年末からは国内の株式市場が急速に盛り上がり、株取引で利益を上げる人も増えている。こうした状況から、今後3年間は不動産市場も盛況になると予想されている。
また新型コロナウイルスの流行を受け、多くのグローバル企業がサプライチェーンの一部を中国から他のアジア諸国へ移転させている。中でも新型コロナをいち早く収束させたベトナムは移管先として注目を集めている。2021年以降、ベトナムが世界に先駆けて経済を回復させることで、その動きはさらに加速するだろう。
プレス部品の市場も同様に盛り上がっている。蝶番、ワッシャー、トイレ用金属製品等の建築業界用製品、生活用食器、キッチン用品等から、自動車、バイク、家電、電子・電気製品、機械部品等まで、プレス部品は日常生活でも工業でも欠かすことのできないものであり、あらゆる業種の企業が活用している。
ベトナムには現在、プレス加工を手掛ける企業は、地場系と外資系の両方が存在する。双方が入り乱れて同じ土俵で競合しているわけではなく、それぞれが求められる水準に沿って棲み分けながら共存している。品質要求が高くなければ、ハノイ市のランルア(Lang Rua)といった伝統村の地場企業が対応でき、そこで作られたプレス部品は建築や簡単な機械等に使われている。
工業用品に関しては、南部では90年代半ばから日系や台湾系、韓国系メーカー等が工場進出を始めていたが、当時はそれぞれの母国需要に応えるための、海外輸出向けのプレス部品生産がメインだった。その後、90年代後半から2000年代前半にかけて、ベトナム国内の二輪車需要をはじめ、一部の家電生産向けなど、少しずつ国内需要も増え、輸出と内需がバランスよく成長した。一方、北部では政府主導でバイクメーカーや複写機メーカーが出そろい、これらの業界やメーカーをサポートするべく裾野産業の外資系部品メーカーが多数進出し、その中にはプレス会社も多く含まれている。
全体の日本語記事を次のリンクからご覧ください:エミダスマガジン2021年5月号 https://issuu.com/ncnetworkvn/docs/emidas17_low